症例case

【犬】トイプードルの 繊維付属器過誤腫 ~良性か悪性か見分けが難しい皮膚腫瘤~

12歳のトイプードルのワンちゃんに右膝付近に皮膚腫瘤(しこり)が見つかりました。以前からあった「しこり」が徐々に大きくなり、約2年半の間に写真のような腫瘤になっていました。

皮膚にできる「しこり」には良性のものもあれば、悪性の腫瘍もあります。悪性腫瘍だと、肥満細胞腫、リンパ腫、扁平上皮癌などがあり、早期治療が求められます。そのため、病理検査をして、鑑別診断をしていく必要があります。

まずは、手術で患部を摘出しました。

摘出した組織を病理検査に出したところ、「繊維付属器過誤腫」と診断されました。過誤腫とは局所的な奇形と腫瘍の中間的なもので、転移などの心配のない良性の腫瘤でした。今回のケースのように、皮膚のできものが全部悪性の腫瘍とは限らないですが、見た目だけでは判断ができないことも多くあります。そのため、飼い主様は日々ワンちゃん・ネコちゃんを触っていただき、もし「しこり」が見つかった場合は、まずは動物病院へ相談してください。

また、定期的にしこりの状態をチェックするようにしていただきたいです。一般的に急速に大きくなったり次々と増えたりするものは悪性腫瘍の可能性が高く、早期発見・早期治療が大切になってくるからです。

愛犬・愛猫の末永い健康のために、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

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