症例case

【ウサギ】膀胱~尿道の尿石 ~急性腎不全に注意~

今回はウサギさんの尿石についてご紹介します。

ウサギの尿石とは?

ウサギは元々、尿中に多量のカルシウムを含んでいます。そのため、尿路にカルシウムが結晶化した結石ができやすくなります。膀胱や尿管、腎臓など、結石が存在する場所によって「膀胱結石」、「尿管結石」、「腎結石」と呼ばれます。

<症状>

・頻尿

・排尿時に痛がる

・おしっこが出にくい

・尿漏れ

・血尿

・腹部の痛み など

結石が尿路を閉塞すると重大な症状を引き起こします。

腎結石により尿管閉塞を起こした場合には、腹部の痛みと閉塞した片側の腎障害を引き起こします。閉塞していない側の腎臓が健康であれば、腎障害による症状がみられないこともありますが、緊急の対応が必要なことには変わりありません。

膀胱結石により尿道閉塞を起こした場合には、尿が出なくなり、急性腎障害を引き起こします。急性腎障害は数日以内に命を落としてしまう危険があるため、緊急事態です。

そのため、少しでも排尿に異常を感じたら、動物病院に相談してください。

尿石症の診断

上記に挙げた症状がみられた場合、尿路結石を疑い、

・腹部触診

・レントゲン検査

・血液検査(主に腎不全の有無をチェック)

・エコー検査

・尿検査

などを行います。

特にレントゲン検査では結石の有無だけでなく、結石の大きさや位置、その形状や数を確認することができます。

尿石症の治療

治療は結石がある場所や大きさによって異なります。

■小さい結石

結石が小さいうちは、尿量を増やすことで、結石を尿中に流し出す治療を行います。尿道が太いメスではうまくいくことがありますが、オスでは尿道の途中でつまってしまうことがあるので注意が必要です。

・点滴での補液

・飲水量を増やして尿量を増やす など

■大きい結石

尿道結石の場合、尿道からカテーテルを入れて、結石を膀胱に押し戻します。結石は体内に残っているため、根本的な解決にはなりませんが、結石をいったん膀胱に戻すことにより排尿を再開させて、閉塞の緊急度を下げるために行います。

結石が大きくなってしまった場合は、いつ閉塞してしまってもおかしくないため、外科的に結石を摘出することをおすすめしています。

今回のウサギさんの尿石

今回のウサギさんは、おしっこの出が悪い、おなかを触られるのを嫌がる、ということで来院されました。

触診で下腹部に違和感を感じました。そのためレントゲン検査をしたところ膀胱~尿道にかけて大きな結石が見つかりました。また、血液検査をしたところ腎臓の機能障害があることがわかりました。

<レントゲン写真>

尿中に流しだせる大きさではなかったこと、また腎機能障害が認められたため、緊急で手術を行うことになりました。

手術中の写真があるため、ご了承いただいた方のみお進みください。

<手術中の写真>

<摘出した尿石の大きさ>

およそ2センチの大きな結石を摘出できました。

ウサギさんにとって尿石は時に命にかかわる病気となるため、おしっこをする時に少しでも異常を感じたら、迷わずにすぐに動物病院に相談しましょう。