症例case

【うさぎ】歯の病気~不正咬合~

すべての歯が生涯伸びる?不正咬合を理解するための基本知識!!

うさぎの歯が生涯伸び続けることをご存じですか?実はうさぎの歯は一生伸び続け(常生歯)、一カ月で約1cm、年間で約12cmも伸びます。 さらに、正面からだと歯が4本だけのように見えますが、実際は・・・

上顎

  • 前歯(切歯):4本
  • 犬歯:0本
  • 小臼歯(前臼歯):6本
  • 大臼歯(後臼歯):6本

下顎

  • 前歯(切歯):2本
  • 犬歯:0本
  • 小臼歯(前臼歯):4本
  • 大臼歯(後臼歯):6本

上顎の歯16本+下顎の歯12本=28本!!上あごの前歯が2本ではなく4本あることからげっ歯目ではなく重歯目に分類されます。

うさぎの歯についての基本知識を知っていただけたと思いますので本題の不正咬合について説明していこうと思います。

不正咬合とは?

先ほど、すべての歯が生涯伸び続けると言いましたが「全ての歯が伸び続けたらごはんが食べられないし大変なことになるのでは?」と思った方もいることでしょう。

正しい食生活や正しい噛み合わせ、病気やケガがない限り、繊維を多く含んだチモシーなどの草をよく噛んで食べることで歯と歯がこすれて削れるので常に正しい噛み合わせを維持することができます。

しかし、何らかの原因によって上手く削れなくなり、やがて歯が伸びすぎて噛み合わせのバランスががおかしくなってしまいます。この噛み合わせが合わなくなってしまった状態を不正咬合と言います。

<その症状、不正咬合かも!?チェック項目!!>

  • 食欲はあるのに食べづらそう
  • ご飯をうまく食べられていない
  • よだれで口回り、前足が汚れている
  • 柔らかいものを好むようになった
  • 頻繁に歯ぎしりをするようになった
  • 便が小さくなった、下痢をしている
  • 涙を流すようになった
  • 食欲がなくなった

以上の症状がみられた場合は不正咬合の可能性があります。 気になる方は早めに動物病院にご相談ください。

不正咬合の原因は?

原因は様々ありますが、主な原因をご紹介します。

①遺伝的要因

遺伝によって生まれつき不正咬合であったり、不正咬合になりやすかったりします。特に短頭種と呼ばれるネザーランドドワーフ、ホーランドロップなどは、顔を横から見た時に顎が短いのが特徴で、不正咬合になるリスクが高くなってきます。

②食生活によるもの

前提として、前歯で「よく噛み」、奥歯で「すり潰す」ことがとても大切になってきます。

以下に当てはまるものはありませんか?

  • パンなどの柔らかい食べ物を与えている
  • ペレットや野菜に偏りがち
  • 牧草を与える頻度が減ってきた

このような食生活を続けていると歯の咬耗が十分に行われず、不正咬合になるリスクが高くなります。

③怪我や事故によるもの

怪我や事故によって不正咬合になることもあります。

  • ケージをかじりすぎることで歯に負担がかかり歪んでしまう
  • 落下事故や踏みつけ事故によって怪我をしてしまい、顎にダメージを負った
  • 何らかの理由で歯が折れた、欠けた

以上のような症状や事故が発生した場合はすぐに動物病院を受診してください。

治療方法

不正咬合になった場合の治療は以下の流れで行います。

  • 専用の臼歯カッターで大まかに高さを整える
  • 歯科用ドリルで切削してならしていく

※症状の度合いによって治療内容が変わることもあります。

不正咬合は自然に治ることはなく、症状が進むほど悪化します。再発することもありますので異常を感じた場合は早めの来院をおすすめします。

臼歯の不正咬合の症例

画像はとがった歯がほっぺたの粘膜に刺さって潰瘍(深い傷)ができ白く変色したものです。

奥側の白い部分が潰瘍

まとめ

不正咬合は自然に治らず、一度発症すると繰り返し発症する可能性がとても高いです。また、不正咬合にならないために多種多様の牧草を食べさせてあげたり、ケージをかじる子には“がじがじフェンス”や“チモシーボード”などを活用しましょう。

飼い主様がどんなに気を付けていても遺伝的要因で不正咬合になってしまう子もいますので、もしかすると不正咬合かも…と思われた場合は早めに来院してください。

うさぎの歯の状態を確認するためにも定期的な通院をおすすめします◎